講座 図解病態のしくみ 消化器疾患・31
Parenteral & Enteral Nutrition(10)—Enteral Hyperalimentation(3)—Short Bowel Syndromeの病態生理
松枝 啓
1
Kei Matsueda
1
1国立病院医療センター・消化器内科
pp.2083-2087
発行日 1982年11月10日
Published Date 1982/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218028
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"短腸症候群Short Bowel Syndrome"の治療および社会復帰は,Total Parenteral Nutrition(TPN)やTPNにょるHome-Hyperalimentationにより可能である.しかし,これらの治療法には多くの問題点が存在する.すなわち,TPNによるHome-Hyperalimentationは,実用性,安全性そして経済性において多くの問題が存在し,これらが短腸症候群の患者の社会復帰をより困難なものにしているといっても過言ではない.筆者らは,このTPNによるHome-Hyperalimentationに比して,より実用的,より安全で,しかもより経済的なEnteral HyperalimentationによるHome-Hyperalimentationの開発を試みた.
しかし,TPNでも治療困難な短腸症候群をEnteral Hyperalimentationで治療するには,短腸症候群の病態生理を正しく理解することはもとより,Enteral Hyperalimentationを合理的に施行することが不可欠である.すなわち,前回までに述べてきたEnteral Hyperalimentationの集大成として,Entera1 Hyperalimentationによる短腸症候群の治療を考えてみたい.
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