講座 図解病態のしくみ 消化器疾患・32
Parenteral & Enteral Nutrition(11)—Enteral Hyperalimentation(4)—Short Bowel Syndromeの新しい治療法
松枝 啓
1
Kei Matsuda
1
1国立病院医療センター・消化器内科
pp.2615-2620
発行日 1982年12月10日
Published Date 1982/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218087
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先月号で述べたように,"短腸症候群Short Bowel Syndrome(SBS)"の病態生理は複雑であり,その治療および社会復帰は非常に困難である.したがって,この短腸症候群の治療および社会復帰は,従来よりTotal Parenteral Nutrition(TPN)やTPNによるHome-Hyperalimentationによって試みられてきた,しかし,これらの治療法には,実用性,安全性,そして経済性において多くの問題が存在し,これらが短腸症候群の患者の治療や社会復帰をより困難なものにしてきた.
一方,Enteral HyperalimentationはTPNに比較し,実用的,安全そして経済的などの利点がある.したがって,このEnteral Hyperalimentationを,短腸症候群の病態生理に基づいて合理的に施行することにより,短腸症候群の治療および社会復帰がより容易になることを示したい.すなわち,前回まで述べてきたEnteral Hyperalimentationの集大成として,Enteral Hyperalimentationによる短腸症候群の治療を考えてみたい.
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