Japanese
English
オスラー博士の生涯・110
トマス・ブラウン卿—その1.人物について(1905年10月12日 ロンドン市Guy's HospitalのPhysical Societyでの講演)
Sir Thomas Browne
日野原 野明
1
,
仁木 久恵
1
Shigeaki Hinohara
1
,
Hisae Niki
1
1聖路加看護大学
pp.1714-1720
発行日 1982年9月10日
Published Date 1982/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217943
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
ウィリアム・オスラー(1849-1919)は17歳(1866年)の時,カナダのオンタリオ州のウェストンの大学予備校に入学した.ウィリアムの両親は,この学校の牧師ジョンソンの感化を非常にうけ,オスラーは父のあとをついで牧師になる心の準備をうけたのである.ジョンソン牧師は生物学にも秀で,オスラーをさそって一緒に動植物採集に出かけ,顕微鏡の美しい世界にオスラーをひきこんだ人である.
ジョンソン先生は,17世紀の医師であり,宗教家,思想家であるトマス・ブラウン(1605-1682)の名著「医師の信仰」(Relisio Medici)を生徒によく読んで聞かせたが,オスラーは若き時代に心を打たれたこのトマス・ブラウンの原本(1862版のもの)を2年後に自ら求め,この本をその後の52年の生涯を通じて一時も座右から離さなかったという.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.