今月の主題 リハビリテーションの現況
治療法
運動療法と治療体操
石田 暉
1
,
千野 直一
1
Akira Ishida
1
,
Naoichi Chino
1
1慶応義塾大学医学部・リハビリテーション科
pp.397-401
発行日 1982年3月10日
Published Date 1982/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217657
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運動療法は筋骨格系の機能異常に対して処方されるものであるが,運動による影響は局所ばかりでなく,循環器系,神経系をはじめ内分泌系にも及ぶことを常に考慮しておかねばならない.すなわち,前述の器官に合併症のある患者の運動療法は慎重に内容を選択すべきであろう.
運動療法の中には,関節可動域運動(range ofmotion exercise,ROM),筋力増強運動,巧緻運動,持久力運動などがあるが,処方の内容は診断名が同じであるからといって,画一的であってはならない.あくまで個別に処方されるべきである.そのために,患者の障害(impairment)を的確に診断し,適切な運動を選び出す必要がある.また.一たん処方しても患者の状態に変化があれば,それに応じて運動内容をかえることは,薬の処方と何ら変わることはない.
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