臨時増刊特集 診断基準とその使い方
II.呼吸器疾患
過敏性肺臓炎
小林 節雄
1
1群馬大第1内科
pp.1722-1726
発行日 1977年12月5日
Published Date 1977/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207494
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概念
有機粉塵の吸入により非アトピー性のアレルギー反応によって起こる,びまん性(肉芽腫性)間質性肺炎で過敏性肺臓炎hypersensitivity pneumonitisと呼ばれるが,また(外因性)アレルギー性肺胞炎(extrinsic)allergic alveolitisともいわれる.これらは古くから農夫肺farmeir's lungとか鳩飼病pigeon breeder's lungなどといわれていた一連の疾患が,いずれも有機粉塵の吸入によるアレルギー反応で起こることがわかり,とくにそれがアルサス型アレルギー(GellとCoombsのIII型)であることがわかったことと,最近では遅延型(すなわちIV型)アレルギーも関与していることなどから呼吸器のアレルギー疾患の一つとして注目されるに至った.
一方,最近では原因不明のいわゆるびまん性間質性線維化肺炎が,重大な肺疾患として注目を集めているが,過敏性肺臓炎をくり返すと肺線維症になることから,原因不明といわれる肺線維症の中に本症によるものが存在しうる可能性が考えられ,本症は今後広く検討されるべき疾患として注目されている.
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