今月の主題 出血とその対策
止血のメカニズム
藤巻 道男
1
Michio FUJIMAKI
1
1東京医科大学・臨床病理
pp.746-748
発行日 1981年5月10日
Published Date 1981/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217147
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血液は生体内において循環し,その流動性を保っているが,生理的状態においては凝固・線溶における前駆物質procoagulantと阻止物質inhibitorとの動的平衡homeostasisを保ち,血管を中心として調和し機能を営んでいる.これを血管統合性vascular integrityといい,この均衡の破綻によって出血し,ある場合には血栓を形成するのである.このような生体の止血機構hemostasisは,血小板,血液凝固,線維素溶解などの機能により血管を中心として統括されているのである.こうした止血のメカニズムについて,以下に概略を述べる.
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