今月の主題 出血とその対策
吐血・下血
原因疾患の臨床統計
外山 久太郎
1
Hisataro TOYAMA
1
1平塚共済病院・消化器内科
pp.750-751
発行日 1981年5月10日
Published Date 1981/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217148
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消化管出血には,顕出血およびオルトトルイジン法やグアヤック法など化学反応によってのみ認められる潜出血がある.前者は,吐血あるいは下血として,日常の臨床でしばしば遭遇するきわめて重要な症状であり,その臨床統計も国内外で数多くみられるが,各研究施設の特殊性,人種差,対象例の条件の相違,また診断技術や機器および治療の進歩,発達などにより,各々の統計には若干の相違が生じてくる.
本稿の集計は,一施設において吐血・下血を主訴に入院した患者および入院中に吐血・下血をきたした小児系を除く全科入院患者を対象にまとめたものであるが,入院患者67,747人中,消化管出血例は1,257人(1.9%)で,その内訳は上部消化管出血840人,下部消化管出血396人,その他21人であった.本稿では,上部および下部消化管出血例の疾患別頻度を他施設の集計と比較しながら,その特徴について述べる.
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