特集 血栓・止血の異常を理解する―広くて深い基礎知識
[Chapter 1] 血栓・止血の入り口
止血のメカニズム
大森 司
1
1自治医科大学 医学部生化学講座病態生化学部門
キーワード:
血小板
,
凝固因子
,
抗凝固
,
線溶
Keyword:
血小板
,
凝固因子
,
抗凝固
,
線溶
pp.698-703
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_698
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
▪生体内の血管が破綻して出血すると,止血反応が生じる.止血反応は出血を最小限にしつつ,局所で血管内腔を塞がないように制御されている.
▪止血反応は,血小板が関与する一次止血と凝固因子カスケードによる二次止血に分類される.
▪血小板が局所に粘着,活性化して,土囊のように凝集塊を形成し,この活性化血小板上で凝固因子カスケードが進行して,土囊の上を覆うセメントのようにフィブリン血栓が形成される.凝固因子反応は進行しすぎないように抗凝固反応で制御され,できたフィブリン血栓は線溶反応によって適切な大きさに修復される.
▪これらの止血反応の理解は,出血性疾患や血栓性疾患の診断や治療方針の決定に重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2023