今月の主題 臨床栄養学—最近の進歩
人工栄養法—経静脈栄養法と経腸栄養法を中心として
最近の進歩
小山 眞
1
Shin KOYAMA
1
1新潟大学医学部・第1外科
pp.616-618
発行日 1981年4月10日
Published Date 1981/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217120
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歴史
元来,人工栄養artificial nutritionとは「母乳以外の栄養で乳児を育てる」ことを指すが,ここでは定義を拡大して「通常の食事以外の栄養投与法」として話をすするめことにする.
最近20年間のsurgical nutritionの進歩はまことにめざましいものであったが,なかでも1960年代後半にDudrick1)により完全静脈栄養(TPN)が,またWinitz2)によりElemental Diet(ED)が相ついで開発されたことは特筆されねばならない.TPNは本邦でもただちに広く用いられるようになり,驚くべき成果をもたらしたが,EDは若干遅れて導入され,TPNの欠点を補うものとして次第に普及しつつある.最近ではより自然な経腸栄養剤が求められ,従来の流動食の見直しというかたちで半消化態栄養剤の改善が進められている.一方,各病態に適した人工栄養法の開発が進行している.
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