臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
IV.肝・胆道・膵疾患
膵癌 VS 慢性膵炎
本間 達二
1
,
小口 寿夫
2
Tatsuji HOMMA
1
,
Hisao OGUCHI
2
1信州大学医学部・第2内科
2信州大学医学部・内科
pp.1926-1927
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216815
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なぜ鑑別が問題となるか
根治手術可能の膵癌例はきわめて少なく,その早期診断法の確立がさけばれて久しい.最近,以下に記すいくつかの検査法がとり入れられ幾分の進歩をみているが,比較的早期の膵癌を疑って手術決定をする場合,必ず問題になるのは慢性膵炎との鑑別である.なかには開腹しても誤診することがある,それほど両者の鑑別はむずかしい.まず鑑別の問題点を記す.
1)臨床症状の類似性:膵癌の主要症状は上腹部痛,黄疸,体重減少,食欲不振,便通異常,腹部腫瘤などであるが,これらは慢性膵炎でもすべてありうる.
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