今月の主題 消化器癌のトピックス
消化器癌の諸問題
膵癌の血清学的診断
本間 達二
1
,
小口 寿夫
1
1信州大講師第2内科
pp.212-214
発行日 1977年2月10日
Published Date 1977/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207071
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近年,膵癌の診断法として逆行性膵管造影法,選択的腹腔動脈撮影法,超音波断層法などがとり入れられるようになり,その診断率の向上はめざましいものがある.
一方,Thalら1)にはじまる膵癌を含む膵疾患についての血清学的診断法に関する面からのアプローチは,肝癌におけるα-fetoprotein(AFPと略)のような癌特異性のたかい物質はみつけられておらず,未だ未開拓の域を出ないのが現状である.本稿では,昭和47年以後,ヒト胎児膵中に膵癌特異物質(抗原)が存在しうるかを検討してきた筆者らの研究の概要を紹介するとともに,現時点での膵癌の血清学的診断法として有効と思われる2,3の事項に関する最近の知見を述べる.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.