慢性膵炎-新しい概念と診断・治療の展開
慢性膵炎における膵癌の合併
上田 純二
1
,
宮坂 義浩
,
大塚 隆生
,
高畑 俊一
,
田中 雅夫
1九州大学 大学院医学研究院臨床・腫瘍外科
キーワード:
遺伝性疾患
,
膵臓腫瘍
,
時間因子
,
膵炎-慢性
,
発癌
Keyword:
Pancreatic Neoplasms
,
Time Factors
,
Genetic Diseases, Inborn
,
Pancreatitis, Chronic
,
Carcinogenesis
pp.571-576
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2014195113
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海外において慢性膵炎と膵癌の関連について大規模な前向き調査研究が行われ,慢性膵炎は膵癌の危険因子であることが示されている.本邦においても,多数例の慢性膵炎患者の調査研究において,慢性膵炎からの膵癌発生頻度は欧米の報告と同等であり,慢性膵炎は膵癌の重要な危険因子であることが近年示されている.慢性膵炎は膵癌発生のリスクファクターであることを認識し,継続した注意深いフォローアップを行うことで,膵癌を早期に発見・治療できる可能性がある.また,慢性膵炎に対する手術の既往と慢性膵炎診断後の禁酒が膵癌発症を有意に低下させる因子と報告され,手術や禁酒によって炎症を沈静化させることで慢性膵炎からの膵癌発症を抑制できる可能性がある.
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