今月の主題 感染症—治療の実際
起炎菌別の対策
無芽胞嫌気性菌感染症
小林 章男
1
,
菅野 治重
2
Akio KOBAYASHI
1
,
Harushige KANNO
2
1千葉大学医学部付属病院・検査部
2千葉大学生物活性研究所
pp.1502-1504
発行日 1980年10月10日
Published Date 1980/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216702
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はじめに
嫌気性菌感染症では,菌体外毒素により重篤で特徴のある症状を呈するガス壊疽菌,破傷風菌,ボツリヌス菌などのグラム陽性有芽胞嫌気性桿菌が以前より病原菌として知られていた.
近年,本来非病原性で人体の正常細菌叢を形成している無芽胞嫌気性菌(以下嫌気性菌と略す)が,分離培養法の発達によって臨床材料より高頻度に分離されてきている.これらの菌は弱毒菌であり,好気性菌やそのほかの嫌気性菌と協力して病原性を発揮していると考えられている.
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