今月の主題 感染症—治療の実際
起炎菌別の対策
真菌症
北原 光夫
1
1済生会中央病院・内科
pp.1500-1501
発行日 1980年10月10日
Published Date 1980/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216701
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問題となる真菌症
約5万から20万種もの真菌が存在しているが,たかだか100種類くらいの真菌が人間に感染を起こすものといわれている.一般に真菌による感染症はつぎのように4群に分けられる.
1)全身性(または深在性)真菌症
2)皮下組織にみられる真菌症
3)皮内にみられる真菌症
4)表在性真菌症
内科的にもっとも問題となる全身性真菌症は,土中に存在している真菌の胞子を吸入することによって感染がはじまる.したがって初期感染像は肺にみられ,これらはよく細菌性肺炎やウイルス性肺炎と区別が困難なことが多い.また,これらの肺炎像はさらに,慢性経過をとることもみられる.さらに,真菌は肺から血液を介して全身へ拡がり転移性病院をつくっていく.
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