論述
整形外科領域における無芽胞嫌気性菌について
若原 和男
1
,
赤星 義彦
1
,
松永 隆信
1
,
陳 世雄
1
,
高井 秀典
1
,
高橋 直久
1
,
三和 敏夫
2
,
上野 一恵
2
,
鈴木 祥一郎
2
Kazuo WAKAHARA
1
1岐阜大学医学部整形外科学教室
2岐阜大学医学部微生物学教室
pp.510-516
発行日 1976年6月25日
Published Date 1976/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905358
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抗生剤やステロイドホルモンの過剰使用により,かつて弱毒または非病原性とされていた微生物が感染の主役を演ずる場合がしばしばみられるようになり,最近ではとくに嫌気性菌感染症が各科領域で注目されている1).整形外科領域においても,感染症の変遷につれて難治症例や,遅発性感染など治療上困難な問題も生じつつあり,とくに嫌気性感染は看過できない重要な課題と考えられる.
われわれは種々の整形外科臨床症例について嫌気性菌を検索する目的で,各種検体の培養検査を行つた.また岐大微生物学教室では長年にわたり,嫌気性菌に関する種々の基礎的研究が行われ,とくに嫌気性菌の培養法についてはGAM培地など詳細な研究開発が続けられている.今回の協同研究によつて極めて興味ある知見を得ているので,現在までの検出状況を報告し,若干の考察を加える.
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