今月の主題 感染症—最近の話題
細菌感染症—原因菌の変遷
嫌気性菌感染症
島田 馨
1
1東京都養育院付属病院
pp.1164-1165
発行日 1975年7月10日
Published Date 1975/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206113
- 有料閲覧
- 文献概要
嫌気性菌の分類
嫌気性菌の分類,命名は形態を主としたフランス学派と,菌のブドウ糖発酵代謝産物を分類の基準にしているアメリカ学派とではかなり異なっていた.アメリカ学派の方式では,菌の最終的な同定にはガスクロマトグラフィーを必要とするわずらわしさがあるが,最近刊行されたBergeyのManual of Determinative Bacteriology第8版にはこの分類が採用してあり1),この本の性格からいっで,今後アメリカ学派の分類がひろく使われるものと思われる.この分類では,かつてSphaerophorusと呼ばれていたグラム陰性桿菌はFusobacteriumに分類され,また嫌気性CorynebacteriumはPropionibacteriumと名前が変わっている.そのほかとくにグラム陽性桿菌の分類が従来に較べて大きく整理されているのが特徴で,かつてのCatenabacterium,Ramibacterium,CillobacteriumはすべてEubacteriumに統合された.表1には臨床材料から分離される主な嫌気性菌を示した.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.