Laboratory Medicine 異常値の出るメカニズム・25
レニン・アンギオテンシン・アルドステロン
屋形 稔
1
Minoru YAKATA
1
1新潟大学医学部・中央検査部
pp.602-604
発行日 1980年4月10日
Published Date 1980/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216494
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アルドステロンの分泌調節(図1)
アルドステロン(Ald)の分泌調節には,主として3つの機序が関与していることが知られている.第1にレニン・アンギオテンシン系で,第2に血漿K濃度,第3にACTHである.なおAldのほかに副腎ステロイドとして電解質作用をもつものにDOC,コルチコステロンがあり,DOCはAldよりも微弱ながらNaの貯留作用を有する.
1)最も強い調節は,macula densa(遠位尿細管の特殊染色細胞-密斑-),傍糸球体細胞(JG細胞),輸入動脈などから成る腎皮質にあるJG装置の働きで放出される蛋白分解酵素レニンと,これに接触して生ずるアンギオテンシン(Ang)による支配である.この過程ではレニンで形成されたAng Iは肺循環において血漿中で酵素反応を再びうけて,強力な昇圧作用をもつAng IIに転換される.
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