今月の主題 肺の炎症性疾患—最近の動向
膠原病とアレルギー
リウマチ肺臓炎
重松 信昭
1
,
松葉 健一
2
Nobuaki SHIGEMATSU
1
,
Ken-ichi MATSUBA
2
1九州大学医学部・胸部疾患研究
2九州大学医学部内科
pp.358-359
発行日 1980年3月10日
Published Date 1980/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216439
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はじめに
慢性関節リウマチ(RA)は関節罹患を主とする系統的疾患であるが,ほかにも眼(keratoconjuctivitis),リンパ節,心臓,皮膚などに病変をみることがある.肺罹患は,最初にEllmanら1)によりrheumatoid lungとして報告されたが,その後,その特異性をめぐって種々の考察が加えられた.そして,RA症例と非RA症例とで,胸部X線像や剖検所見の対比がなされ,RA患者に多くの非特異性病変がみられるとの指摘もあったが,Rubinらの注意深いreviewなどにより,現在ではRAと肺の間質性病変との関連性が一般に受けいれられている2).
筆者らは,1969年にびまん性間質性肺炎像(UIP)を呈する疾患について検討し,他のびまん性肺疾患との鑑別,さらにはUIPに含まれるrheurnatoid lungと特発性肺臓炎との異同につき考察した3).今回は,その後に得られた知見や最近の報告を加えて,RAに伴う肺および胸膜病変の実態,その発生機序,および診断,治療に関する新しい問題をとりあげてみたい.
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