臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集
VIII.血液化学検査
80.血清蛋白電気泳動
青木 紀生
1
1社会保険中京病院臨床病理
pp.1820-1821
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216184
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異常値を示す疾患
血清蛋白は80種類以上の成分からなっている.したがって,個々の蛋白について量的および質的異常が検索できれば理想的である.しかし現実にはそのような詳細な分析はほとんど不可能なため,ふだんは蛋白成分の有する物理化学的性質あるいは生物学的性質を利用して,適当に血清蛋白を分画している.なかでも日常最も広く用いられている分画法はセア電気泳動法で,本法によれば血清蛋白は易動度の早いものから,アルブミン,α1,α2,βおよびγの5分画に分かれる.
血清蛋白異常は血清総蛋白濃度および各分画の異常から,表のような基本型に分類されている.このような変化は定型的な病変が存在する場合にみられるものであって,病変が非定型的である場合,たとえば病気が未だ定型的な状態まで進行していない時期,回復期,あるいは他の疾患を合併しているときなどでは,このような分画像にあてはまらないことがしばしばある.以下に各異常像を示す代表的な原因疾患を示す.
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