臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集
VIII.血液化学検査
79.血清膠質反応
畑下 敏行
1
1東邦大中検
pp.1818-1819
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216183
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はじめに
健康者では,全体の膠質安定性を高める保護膠質に属する分画が十分量存在することにより,血清中に溶存する各種の蛋白質やその多糖類複合体,脂質複合体などが,その組み合わせの上で,きわめて高い安定性を保っている.一方,各種の疾患時には,A/G比の低下にもみられるように,その構成成分の濃度や量比に多様な変化が起きて,ある場合にはその膠質安定性が著しく低下して,沈殿や混濁が生じやすくなったり,またある場合には,逆に病的に安定性が上昇することがある.この膠質安定性の上昇や低下の度合いを情報として得るために工夫された反応が血清膠質反応である.
現在,最も多く用いられているのはチモール混濁反応(TTT)と,硫酸亜鉛混濁反応(ZTT)であろうと思われるが,そのほかにも,各種疾患に対する情報として,別のものを提供してくれる点や,スクリーニングに便利である点などで,いろいろな反応が使われていると思われるので,主なものを表1に示した.
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