臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集
VIII.血液化学検査
81.血糖
水野 美淳
1
1東女医大糖尿病センター内科
pp.1822-1823
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216185
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異常値を示す疾患
高血糖を示す疾患と状況1) 高血糖をきたす疾患をすべて糖尿病と呼ぶ時代が比較的長く,現在でも,糖尿病を一つの疾患群と考える人は多いが,それは真の糖尿病かそうでない糖代謝異常かの区別が困難な場合が多いための,便宜的なものに過ぎない.しかし,患者の治療,指導方針をたてるには,両者をできるだけ区別する必要がある.こうして糖尿病と鑑別を要する疾患は表1のように種々の場合があり,生体にストレスを加える原因はすべて糖代謝の異常をきたし得ると考えるほうがよい.
ただし,その高血糖の程度は,糖尿病でない場合,比較的軽度で,糖代謝異常を示すもののうち,糖尿病型血糖曲線を示すものは比較的少なく,日常最も糖尿病と紛らわしい血糖曲線を示すのは,肥満,高脂血症,肝疾患,膵疾患,などであり,甲状腺機能亢進症,胃切除後などでは糖負荷後3時間値上昇を欠く場合が多い.
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