けんさアラカルト
キャピラリー電気泳動法による血清微量蛋白成分の測定法
渭原 博
1
,
戸谷 夏子
1
1東邦大学医学部大橋病院臨床検査部
pp.110
発行日 2001年2月1日
Published Date 2001/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905724
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現在,血清蛋白分画の測定は日本電気泳動学会が定めた標準操作法(1966年)に基づきセルロースアセテート膜を支持体にして行われている(CAE法).その後,標準操作法に電気浸透の低い支持体の選択,および染色液の改良がなされたが,CAE法では血清蛋白をアルブミンとα1-,α2-,β-,γ-グロブリンに5分画するにとどまった.この間,欧米ではアガロース電気泳動法が普及し,5分画に加えプレアルブミン,α1-酸性糖蛋白,α1-アンチトリプシン,ハプトグロビン,トランスフェリン,補体,IgA,IgM,IgGの同定も行われた.近年,臨床検査用の全自動キャピラリー電気泳動装置(Paragon CZE 2000)1)がベックマン・コールター社によって開発され,筆者らの検査室でもルーチン検査に導入した.しかし,CZE法は高い分離能を有するはずなのだが,Paragonでのプログラムは5分画報告となっており,上述の微量蛋白成分の検出が疎かであった.微量蛋白成分は免疫ネフェロメトリー法で別測定とされているので,Paragonで定量分析が可能なら多大のメリットが期待できると考えた.
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