臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅷ.血液化学検査
89.血清蛋白電気泳動
青木 紀生
1
Toshio Aoki
1
1元:社会保険中京病院・臨床病理
pp.2306-2307
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219410
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異常値を示す疾患
多種の成分からなる血清蛋白を,蛋白質が有する荷電という性状を利用して電気的に分画する方法が血清蛋白電気泳動で,なかでもセア膜を支持体とする電気泳動法が最も広く用いられている.本法によれば,血清蛋白は易動度の早いものから,アルブミン,α1,α2,βおよびγの5分画に分かれる.
血清蛋白異常は血清総蛋白濃度および各分画の異常から,表のような基本型に分類されている.このような型は定型的な病変が存在する場合にみられるものであって,病変が非定型的である場合,たとえば病気が未だ定型的な状態まで進行していない時期,回復期,あるいは他の疾患を合併しているときなどでは,このような異常像にあてはまらないことがしばしばある.以下におのおのの分画異常像を示す代表的な疾患を示す.
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