今月の主題 血栓とその臨床
血栓塞栓症
腎動静脈
成清 卓二
1
1群馬大第3内科
pp.862-864
発行日 1979年6月10日
Published Date 1979/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402215918
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はじめに
腎動静脈血栓塞栓症は腎血管壁の障害や血流の障害,あるいは血液凝固系の異常をもたらすような基礎疾患を有する患者に併発することが多いので,これら基礎疾患の把握がその診断上重要である.本症における臨床症状も,閉塞が血管の主幹部か,あるいは分枝部のみに発生するかによって,また片側性か,両側性かなどによってさまざまでありうる.生存中は無症状に経過し,剖検で初めて診断される例も稀ではない.
腎血管血栓塞栓症は大別して腎動静脈主幹部の血栓塞栓と,全身性血栓性血管病変,あるいは播種性血管内凝固異常の一部分症状として腎細小血管に血栓の多発する場合とがあるが,それぞれについて許された誌面の範囲内で診断を中心に述べてみたい.
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