増刊号特集 泌尿器科画像診断
Ⅲ.疾患別画像診断
8.腎性高血圧・腎血管疾患
腎動静脈瘻
山口 秋人
1
Akito Yamaguchi
1
1原三信病院泌尿器科
pp.308-310
発行日 1999年3月30日
Published Date 1999/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902617
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1 はじめに
腎動静脈瘻は腎動脈の分枝と腎静脈の分枝の間に交通枝ができる疾患である。瘻の脆弱性により破綻が起きて,突然重大な肉眼的血尿をきたすことがある。腎動静脈瘻には先天性と後天性があり,本邦の報告では欧米と反対に先天性が多い。先天性のものでは腎動静脈奇形に由来するものが多く,後天性のものでは腎生検後,腎手術後など医原性のものが多く,腫瘍に合併するもの,外傷後のものが続く。
また,血管造影像よりcirsoid typeとaneurys-mal typeに分類される。Cirsoid typeでは,動脈が複数流入して細い動脈が多数蛇行するnidusを形成して複数の静脈へ流出する(図1)。Aneurys-mal typeでは,動脈瘤から瘻を通じて静脈へ流出する。重大な肉眼的血尿をきたす動静脈瘻は,経カテーテル的動脈塞栓術の適応となる。塞栓物質は,cirsoid typeではエタノールが,aneurysmal typeでは金属コイルが用いられる1,2)。
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