臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
VI.内分泌疾患
2.バセドウ病治療の要点
131Ⅰによる治療—とくに投与量の問題
鳥塚 莞爾
1
,
小西 淳二
1
1京大放射線核医学科
pp.2012-2013
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208235
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はじめに
甲状腺機能亢進症の治療法として,抗甲状腺剤療法,放射性ヨード療法および外科的切除術が行われているが,このうち,放射性ヨード療法は甲状腺の選択的なヨード摂取能を利用したもので,甲状腺に集積した放射性ヨードの放出する放射線によって濾胞上皮を破壊することを目的としている.現在,主に131Ⅰ(半減期8日)が用いられ,簡便で治療効果のすぐれていることから,広く利用されてきたが,最近,治療後の長期にわたる観察から,甲状腺機能低下症の多発が知られるようになり,131Ⅰ減量療法1〜4)など,131Ⅰ療法の再検討が行われている.筆者ら5)も数年前より初回投与131Ⅰ量を一律に4mCiとし,しかも極力再投与を行わない治療法を実施してきた.以下,131Ⅰ減量療法の成績を述べ,さらに筆者らの現在の131Ⅰ療法の治療方針について述べる.
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