臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
III.呼吸器疾患
1.薬剤の適応と使い方
消炎酵素剤
勝田 静知
1
1広島大放射線部
pp.1808-1809
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208158
- 有料閲覧
- 文献概要
消炎酵素剤とその種類
現在臨床的に広く用いられている抗炎症剤はステロイド剤と非ステロイド系抗炎症剤に2大別されるが,消炎酵素剤は後者に属する抗炎症剤の一種であって,抗炎症作用は他の抗炎症剤に比べるとそれほど強くはない.
消炎酵素剤として現在使用されているものを列挙すると表のごとくである.蛋白分解酵素のほかに多糖体分解酵素があるが,前者には動物性,植物性,微生物由来など酵素起源を異にするいくつかの酵素がある.すなわち,動物性のものとしては,古くから知られているトリプシン,キモトリプシンがある.キモトリプシンはトリプシンに比べると副作用が少ない.植物性としてはプロメラインがある.パイナップルの茎から取れる蛋白分解酵素である.微生物由来としてはプロテアーゼ,プロクターゼ,プロナーゼ,セラチオペプチダーゼ,セミアルカリプロテアーゼ,ストレプトキナーゼなどがある.これらのほとんどは経口投与である.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.