臨時増刊特集 これだけは知っておきたい治療のポイント 第2集
III.呼吸器疾患
1.薬剤の適応と使い方
鎮咳剤
龍華 一男
1
,
山川 育夫
1
1名大第2内科
pp.1804-1806
発行日 1978年12月5日
Published Date 1978/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402208157
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咳の生理と病理
咳は吸入期(約0.06秒),緊張期(約0.2秒)および呼出期からなる.いきおいが最も強いのは呼出期で,声門が開放されてから約0.03秒後である(中村ら).ヒト気管の断面積は安静呼気時に約1.5cm2あるが,咳のときには膜様部の筋肉が著しく陥入して断面積は0.25cm2(16%)まで狭まる.このときに呼出される気流速度は音速の約85%にまで達する(Berte, J. B.).
単発する咳よりも連続する咳のほうが,気道の浄化には有効に思われるが,実際には咳にひき続く深吸気時に,異物や気道液を逆に吸引し,肺の末端部に引き込むことがある.
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