今月の臨床 妊娠と薬物―EBM時代に対応した必須知識
妊産婦,授乳婦人での薬物の選択と投与法
2.解熱・鎮痛・消炎剤
秋山 敏夫
1
1牧田総合病院産婦人科
pp.673-675
発行日 2003年5月10日
Published Date 2003/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100924
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はじめに
妊産褥婦に対し薬物を選択し投与する場合,その薬物は産婦人科医師として頭を悩ませることの一つである.添付文書に「投与しないこと」あるいは「投与しないことが望ましい」となっている場合は他の薬物を選択すればよいが,大部分は「治療上の有益性が危険性を上回っていると判断する場合にのみ投与すること」となっており,躊躇せざるを得ない.
「投与しないこと」となっている薬物の中にも,「催奇形性を疑う」ものから,「妊娠中の投与に関する安全性は確立していない」ものまで含まれ,普段使用していない薬物を用いる場合は困難である.
妊産褥婦,特に妊婦は妊娠中に服用した薬剤について,一般人以上に関心を持っている.おおむね薬物に対する過剰反応が多いが,妊婦を不安に到らしめる場合も少なくない.
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