今月の主題 急性期脳卒中の臨床
診断法
CTスキャンへの期待
草野 正一
1
1北里大放射線科
pp.193-196
発行日 1978年2月10日
Published Date 1978/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207736
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コンピュータ断層撮影法(Computed Tomography,以下CTと略す)とは,X線ビームと検出器を用いて目的とする人体の小さなX線吸収差を多方向からコンピュータで測定し,人体を構成する物質の相対的X線吸収係数分布を画像に表示するものである,この研究は,古くから行われてきたが,実際の臨床で応用可能な,短時間で画像に再構成できる装置を完成するまでには至らなかった.しかし,コンピュータのめざましい発展ともあいまって,英国のHounsfieldとAmbroseによって共同研究が進められていたCTが,臨床でも応用できるようになり,1973年に初めてその成果が報告された1).その後数年の間に,CTは,神経放射線の領域ではレントゲンによるX線発見以来の技術革命とまでいわれるほどの画期的成果をすでにあげている.
北里大学病院でも,1976年9月から世界で最初に開発された全身用CT,ACTA 01002)の臨床応用を開始し,1年間に約1,800件の検査を行ってきた,この装置は,1回のスライスに要する時間が約6分と長いために,腹部の検査の場合には呼吸運動や腸蠕動運動などによって出現するmotion artifactでしばしば情報が制限された3).しかしながら,この問題もCT装置の急速な進歩によってすでに解決し,本邦でも数秒でスキャン可能な装置の臨床応用が,現在行われている.
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