今月の主題 呼吸不全とその管理
呼吸不全と臓器障害
呼吸不全と心
岩崎 栄
1
1国立長崎中央病院内科
pp.1526-1528
発行日 1977年11月10日
Published Date 1977/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207435
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はじめに
呼吸不全の循環系に及ぼす影響と,それによってもたらされた症候,また,それら症候発現のメカニズムについて述べる.
呼吸不全をきたす基礎疾患として慢性肺疾患,ことに慢性閉塞性肺疾患(慢性肺気腫・慢性気管支炎・気管支喘息)や肺結核,肺癌,肺線維症,肺炎,気管支拡張症などの拘束性肺疾患があげられるが,肺疾患以外の心疾患,腎疾患,眠剤中毒,神経筋疾患,ショック肺などによっても呼吸不全はもたらされる.急性か慢性かの鑑別についての「しかし治療の主眼はいずれの場合も肺胞低換気状態の改善にあるのであり,酸・塩基平衡状態の立場に固執することなく臨床的に急性に始まったものか,年余にわたる慢性のものから判別して行くべきであろう」という吉良ら1)の意見に賛成である.
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