今月の主題 ミオパチー最近の進歩
先天性代謝異常
Luft病・その他
瀬川 昌也
1
1瀬川小児神経学クリニック
pp.2138-2140
発行日 1976年12月10日
Published Date 1976/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206981
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Luft病
著明な代謝高亢進症状を主徴とするが,甲状腺機能に異常なく,骨格筋ミトコンドリアの呼吸機能に障害があり,また,その構造にも変化をきたすことを特徴とする疾患である.1959年1),1962年2)にLuftらのグループにより第1例(38歳女性)が報告され,1971年Hayderら3)により第2例(19歳女性)が報告されている.
両者の臨床症状の特徴を表1に示した.発症年齢は,幼児期早期(Luft例),14歳(Hayder例)と差があるが,高体温,心拍増加,著明な全身発汗,暑さに弱い,多飲,多食するが太らない,などを特徴とする.Hayder例には多尿を認あたが,Luft例では認められず,また,Luft例では全身性の筋力低下,筋萎縮,筋緊張低下,腱反射消失が記載されているが,Hayder例ではPsoasに軽度の筋力低下をみるのみであった.また,Hayder例では,皮膚は高温かつ発赤,下肢は広汎に斑状紅斑が認められた.両例とも症状は進行性である.
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