今月の主題 電解質異常のすべて
どんな電解質異常が起こるか
嘔吐・下痢
飯田 喜俊
1
1大阪府立病院腎疾患センター
pp.1514-1517
発行日 1976年11月10日
Published Date 1976/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206816
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消化液の生理
消化液は図1に示すように,1日4〜6l,すなわち水分摂取量の2〜3倍,体内全水分量の約20%もの量が消化管から分泌され,これが再吸収されて,残りが大便として排泄される.大便中の水分は約0.1lであるから,95%以上が再吸収されていることになる.消化液の分泌,吸収は単なる拡散によるのではなく,酵素,神経,内分泌,代謝物質などにより能動的になされると考えられている,これら消化器系の機能が諸疾患によって障害されると,嘔吐,下痢などをきたして大量の消化液が失われ,電解質異常をきたす.
消化液の組成は胃,十二指腸,小腸,大腸などそれぞれの部位により大体共通した内容を有している(表).それ故,嘔吐,下痢などで消化液が失われる際にも,失った部位により大体一定の電解質異常を呈してくる.
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