特集 帰してはいけない「こども」を見逃さないために
【各症状へのアプローチ】
嘔吐・下痢
小堀 勝充
1
1医療生協さいたま熊谷生協病院小児科
キーワード:
嘔吐
,
下痢
,
脱水
,
ウイルス性胃腸炎
,
髄膜炎
,
麻痺性イレウス
Keyword:
嘔吐
,
下痢
,
脱水
,
ウイルス性胃腸炎
,
髄膜炎
,
麻痺性イレウス
pp.330-332
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103175
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Case
ノロウイルス胃腸炎で脱水になった1例
患者:1歳3カ月,男児.
家族歴:3歳2カ月の兄も下痢をしている.
現病歴:3カ月前から兄と同じ保育園に通園するようになった.先週から保育園で嘔吐・下痢でお休みする園児が出ていた.2日前から軟便で回数も1日3~4回出ていたが,熱もなく食欲も変わらなかった.明け方から嘔吐が出現し,下痢も水様下痢になってきたため,未明の救急外来を受診した.診察中にも嘔吐があり,母親に抱かれていたが診察中に泣くこともなかった.顔色は蒼白で活気はなかった,大泉門は閉鎖しかかっていたが陥凹傾向だった.胸部聴診で呼吸音に異常なく,心雑音を認めなかったが心拍は120回/分だった.腹部グル音は減弱していたが,明らかな圧痛を認めなかった.四肢はチアノーゼを認めなかった.皮膚はturgor低下,CRT≒2秒だった.嘔吐していたため咽頭扁桃所見は診察しなかった.腹部単純X線検査,点滴,血液検査,尿検査,便ロタ検査,便ノロ検査を実施した.腹部単純X線検査では,ガスが少なくなっている以外明らかな所見を認めず,血液検査では,低血糖と脱水を認めた.便ノロウイルス迅速検査で陽性だった.点滴後,嘔吐は改善して全身状態改善し,帰宅した.
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