特集 腫瘍随伴症候群とオンコロジーエマージェンシー―病態や治療に伴う多彩な症状
薬物療法に伴うオンコロジーエマージェンシー
悪心・嘔吐,下痢
奥山 浩之
1
,
羽床 琴音
1
,
大北 仁裕
1
,
西内 崇将
1
,
辻 晃仁
1
1香川大学医学部附属病院腫瘍内科
キーワード:
悪心
,
嘔吐
,
下痢
,
薬物療法
Keyword:
悪心
,
嘔吐
,
下痢
,
薬物療法
pp.1607-1611
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1607
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Summary
▪薬物療法に伴う悪心・嘔吐は,急性,遅発性,突発性,予測性に分類される.
▪催吐性リスク分類に基づき,治療開始時の制吐療法を選択する.
▪薬物療法を有効かつ安全に継続するためには,悪心・嘔吐の予防が必須である.
▪薬物療法に伴う下痢は,早発性下痢,遅発性下痢に分類される.
▪下痢はその症状に加え,脱水や敗血症の合併などにより重篤な状況になる危険性が高く,発症早期より適切な治療を行うことが必要である.
▪免疫チェックポイント阻害薬による下痢は,従来の抗がん薬とは異なる対応が必要となることがあるため,注意を要する.
© Nankodo Co., Ltd., 2019