今月の主題 体液・電解質補正の実際
病態と輸液
嘔吐,下痢の輸液
石橋 賢一
1
,
椎貝 達夫
2
1東京医科歯科大学医学部・第2内科
2取手協同病院
pp.980-981
発行日 1986年6月10日
Published Date 1986/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220403
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消化管と腎は生体の水電解質バランスをつかさどる主たる器官であり,多くの類似点がみられる.消化管はいってみれば一つの巨大なネフロンであり,輸送を行う上皮が連続してつながり,しかも分節ごとに機能分化がみられる.消化管に入る液体の75%は食事以外に分泌された体液であり,吸収というより再吸収という名がふさわしい.ここでは上部消化管の分泌液の喪失である嘔吐と,下部消化管の分泌液の喪失が主な下痢の病態とそれを補正する輸液の要点について述べる1).
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