今月の主題 電解質異常のすべて
電解質異常をみたとき
カルシウム異常
藤田 拓男
1
1和歌山医大高年病内科
pp.1498-1500
発行日 1976年11月10日
Published Date 1976/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206811
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血清カルシゥムの異常は内科各領域の疾患に広くみられる.その測定の重要性は最近ことに注目されており,ナトリウムやカリウムを測定するよりはカルシウムや燐を測定する方がはるかに多くの貴重な情報を得ることができ,また多くの疾患の診断に役立つことに注目すべきである.
このことは血清カルシウムの調節が体内のどのような物質の濃度の調節よりも正確に行われており,そのためにカルシウム調節ホルモンといわれる副甲状腺ホルモン,カルチトニン,および活性型ビタミンDのほかにも種々のホルモン,腎,腸管,骨,肝,肺はじめ多くの臓器の機能が協同して働いており,人体における調節機序の大きな部分が血清カルシウムを一定に保つために働いているからである.
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