特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅵ.注意すべき状態の患者への薬物療法
3.カルシウム・リン異常
田中 孝也
1
1関西医科大学救命救急センター
pp.244-245
発行日 1992年10月30日
Published Date 1992/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901011
- 有料閲覧
- 文献概要
生体が正常な生命活動を営むためには,水分電解質の恒常性を維持することが不可欠である.生体内には約1,000gのカルシウム(Ca)があり,その99%が骨に存在し,骨形成,血液凝固,細胞膜透過性,心拍維持,神経筋の興奮性調節,酵素の活性化などを担っている.リン(P)は生体内に約500〜800gあり,約80%が骨に,9%が筋肉に存在する.細胞内に存在する最も多い陰イオンはPであり,有機リンとして細胞内エネルギー,酵素活性の調節,白血球機能,組織への酸素供給などを担っている.術前・術後にこれら電解質の恒常性を維持することはきわめて重要となる.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.