今月の主題 腎不全の病態と治療
臓器面からみた臨床像
心膜炎
黒田 満彦
1
1金沢大第2内科
pp.482-483
発行日 1976年4月10日
Published Date 1976/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206508
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心膜炎は尿毒症でしばしば遭遇する合併症であり,Brightの記載以来すでに140年になるが,治療法の進歩した最近でも慢性透析者の心タンポナーデによる死亡順位は高い1).心膜炎は未治療の尿毒症例の約半数2,3)に認められるだけでなく,安定期にある慢性透析者にも10〜16%2〜4)程度に発現している.とくに慢性透析者にみられる心膜炎が問題であるが,その発症要因や透析療法との関係など不明の点が少なくない.また,心タンポナーデは心膜炎の重大な転帰であるが,その治療方針には最近までかなりの混乱があり,高い死亡率の一因であったとも考えられる.最近の文献は治療の問題を扱つたものが多く5〜7),治療に一定の方向が得られつつある.
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