今月の主題 腎不全の病態と治療
臓器面からみた臨床像
高血圧
藤見 惺
1
1九大第2内科
pp.480-481
発行日 1976年4月10日
Published Date 1976/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206507
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高血圧は慢性腎不全の病因であるのみならず,その合併症として末期腎不全のほとんど全例に認められる1).高血圧は,腎機能障害をさらに助長させる因子として腎不全患者管理上,極めて重要な病態であるが,腎以外の心・血管系にも重篤な合併症をもたらす.透析療法が発達し,尿毒症による死亡が減少した今日では,高血圧は慢性腎不全の予後を規定する最大の因子と考えられる.さらに最近では長期透析患者に進行性動脈硬化性病変が認められ問題となっている2).以上の知見からみて,慢性腎不全に伴う高血圧はコントロールされるべき病態である.本稿では両側性腎実質性障害による末期腎不全に伴う高血圧の病態生理および治療につき私見を述べる.
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