新薬の使い分け
新しい抗結核薬TuberactinomycinとRifampicin—ことにRifampicin使用による短期化療
岩崎 龍郎
1
1結核研究所付属病院
pp.128-130
発行日 1976年1月10日
Published Date 1976/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206392
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Tuberactinonlmycin
抗結核薬の中で,最も新しく登場したのは,Tuberactinomycinである.化学構造上も抗菌的にもViomycinと非常に近いもので,VMとは互いに交互耐性がある.また,VMと同じく,SMには交互耐性はなく,しかし,KMに対してもVMと同様,KM耐性菌にはTuberactinomycinはおおむね感性だが,Tuberactinornycin耐性菌にはKMは耐性だという性質がある.結核菌に対する抗菌力は,SMよりはもちろん,KMよりも弱いが,VMとはほぼ同等である.したがって,SMに耐性を生じた後,KMを使用し,KMにも耐性となれば,Tuberactinomycinを使用するという順序に従う.この点,VMと同じ取り扱いであるが,VMよりも第8脳神経および腎に対する障害が少ないので,今後VMに代わって使用さるべき薬である.そのことは,これが日本で開発された薬であるということのみではない.
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