治療のポイント
抗結核薬としてのリファンピシン(rifampicin)
五味 二郎
1
1慶大内科
pp.303-305
発行日 1971年3月10日
Published Date 1971/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203535
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Fureszとリファンピシン
最近,臨床に応用されるようになった化学療法剤のうちで,リファンピシン(rifampicin)は最もすぐれた薬剤の1つということができるし,またこのrifampicinの発見によって結核化学療法が一段の進歩をとげたといっても過言ではないであろう.
昨年8月,このrifampicinの開発に非常に貢献したイタリーのLepetit会社のFureszを,第11回国際胸部疾患学会へ出席の途次訪問したところ,彼は次のように語っていた.rifamycin Svの誘導体を約500種類作り,種々研究の結果,最後に有望と考えられるものが15種類残った.この中のどれを選ぶべきかについては非常に迷わざるをえなかったが,2人の娘の次の第3の娘としてrifampicinを選んだので,この開発には全力をあげたい.彼はミラノ大学で講義することに非常な魅力を感じていたが,これができなくなったのは残念であると述べていた.rifampicinは当初抗結核剤としてよりも一般感染症に対する薬剤として注目されていたようにも思われる.
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