今月の主題 肺癌—その理解と対処のために
治療
抗癌剤の選択と適応
斉藤 達雄
1
1東北大抗酸菌病研究所臨床癌化学療法部門
pp.1828-1830
発行日 1975年11月10日
Published Date 1975/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206303
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はじめに
これまで刊行されている多くの成書をみても,肺癌は決して抗癌剤の有効な疾患とは見做されていない.たとえば,すでに古くなったが,Hiatt1)の疾患別有効抗癌剤の表をみても,I.延命効果のあるもの,II.しばしば有効であるもの,III.時々有効であるもの,IV.稀または一時的に有効なもの,の4分類のうち,肺癌はIVにランクされている.
また,かつて癌化学療法のみが施行された末期癌患者の生存期間について,国内66施設のアンケートをまとめたとき,肺癌の化学療法開始後2年生存数は898例中17例(1.9%),5年生存数は519例中1例(0.2%)という微々たるものであったことからも窺われる2).
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