癌と駆けっこ・10
再び抗癌剤治療
刑部 慶子
pp.1164-1167
発行日 1986年10月1日
Published Date 1986/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921544
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また,古巣(?)に戻る
1984年7月,私は再度抗癌剤治療を受けるためにIVHのカテーテルを入れたまま,日大板橋病院に転院した.ここには前回入院時のカルテもあるし,また,以前にも述べたように骨髄も保存してある.もし抗癌剤治療中に骨髄が弱って来てしまったら,冷凍保存してある私の骨髄を注入すればよいのだ.抵抗力が弱まった時のために無菌室もあるし,それに,夫の勤め先だから色々と融通がきく.
日大板橋病院に戻って来たら,まるで古巣に帰ったような安心感が湧いてきた.無理もない,ここに1年近くも入院していたのだもの,半ば自分の家のように感じられてしまうのも当然だった.
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