癌と駆けっこ・4
抗癌剤治療
刑部 慶子
pp.444-447
発行日 1986年4月1日
Published Date 1986/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921385
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すさまじい嘔き気
手探りの中でシスプラチン治療を開始する
1983年1月7日から,第1クール目の治療が始まることになった.
使う薬の内容は,夫が主治医グループと相談して,F-CAP療法というのに決めたようだ.夫は私の腫瘍が悪性だったとわかって以来,その治療のために最も良い方法を色々と検討していた.当時,日本ではまだまだ卵巣癌の予後は悪かったのだが,米国ではシスプラチンを使って,治療成績が良くなってきていたらしい.日本でも使い始めたばかりの薬だったようだ.患者の私には詳しくわからないが,シスプラチン,アドリアマイシン,エンドキサンなど,数種の薬剤を使うようだった.
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