今月の主題 甲状腺疾患のすべて
臨床的アプローチ
甲状腺機能亢進症の治療
外科的治療
降旗 力男
1
1信州大第2外科
pp.1368-1369
発行日 1975年8月10日
Published Date 1975/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206175
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甲状腺機能亢進症には,びまん性甲状腺腫を有するtypeと,結節性甲状腺腫ないし甲状腺結節を有するtypeとがある.前者はバセドウ病,あるいは甲状腺中毒症などと呼ばれるものであり,後者はプランマー病,あるいは中毒性腺腫(toxic adenoma)と呼ばれるものである。
いわゆるバセドウ病の病因については,近年研究のめざましい進歩があり,その病因は甲状腺目体にはなく,患者血清中にあるLATS,LATSprotector,あるいはHTSなどと呼ばれる物質の作用によるものと推測されている.一方,プランマー病の病因については不明の点も多いが,その病因はLATSなどとは関係がなく,腺腫(adenoma)自体にあるものと推定されている.したがって,甲状腺機能亢進症の治療はバセドウ病とプランマー病とに分けて考える必要がある.
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