わが教室自慢の手術器具・12
結紮糸輸送器(丸田式)
中藤 晴義
1
,
降旗 力男
1
1信州大学医学部第2外科
pp.1582-1583
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207555
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結紮糸輸送器または結紮糸輸送子(Maruta's Ligat—ure carrier)は当教室では通称"輸送子"と呼んでいる.輸送子の発案は私共の恩師丸田公雄現信州大学名誉教授で,Cleveland氏結紮糸誘導器や甲状腺消息子にヒントを得て昭和15年頃に考案されたものである.当時は,彎曲のある三宅氏縫合ピンセットの先端寄りに切込みを作り輸送子として使用していたが,切込みより糸がはずれ易いために,現在使用している輸送子に改良されたものである.
輸送子の構造は,彎曲のある長いKocher氏無鉤鉗子の先端より約2〜3mmの両脚に径2〜3mmの穴をあけたものである(図1).現在では,深部の結紮ができる長い柄をもつた輸送子や深部の細かい部分の結紮ができるように,強彎のKelly氏鉗子に穴をあけたものなど(図2右側)が工夫されている.また,先端の小孔も角で糸が傷つかないよう工夫されている.
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