Japanese
English
臨床研究
頸部廓清術における胸管損傷の経験と考察
Clinical experiences and consideration of thoracic duct injury associated with neck dissection
渡辺 豊昭
1
,
桜井 道郎
1
,
川村 信之
1
,
宮川 信
1
,
牧内 正夫
1
,
降旗 力男
1
Toyoaki WATANABE
1
1信州大学医学部第2外科学教室
pp.243-248
発行日 1977年2月20日
Published Date 1977/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206685
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はじめに
頭頸部の悪性腫瘍に対する頸部リンパ節廓清,あるいは乳癌や上肢の悪性腫瘍等に対する鎖骨上窩のリンパ節廓清が行なわれる場合に,種々の合併症や機能障害の生ずる可能性がある1).そのなかで胸管損傷による乳糜の流出は,不快な合併症の1つである2).その損傷は大出血と異なり,急激に死に至ることはないが,難治性の場合には栄養障害をひきおこし,不幸な転帰をとるという報告3,4)もあり,術後合併症として決して軽視すべきものではないと考える.
このような観点から,われわれは今日までに経験した頸部リンパ節廓清による胸管損傷について,検討を加えたので報告する.
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