皮膚病変と内科疾患
皮膚病変の診かた
三浦 修
1
1杏林大皮膚科
pp.108-109
発行日 1975年1月10日
Published Date 1975/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205754
- 有料閲覧
- 文献概要
皮膚は内臓の鏡であるといわれてからすでに半世紀以上たった.その間医学の進歩に伴って内臓あるいは内的組織の異常と皮膚病変の関連がますます広汎に認められるようになり,戦後にはDermadromeなる言葉まで提唱されるに至った.この語は内的病変の皮膚表現を意味する.
明治の名医には患者が戸をあけて入ってくるとすでに診断がついていた,などの逸話は珍らしくない.このことはとりもなおさず視診によって内的病変を診断したことにほかならない.この間医学の進歩は直観的な視診のみで診断をつけるような態度を許さなくなり,理詰めで行くべきことが要求されるようになった.別言すれば,皮膚の1っ1つの病変,すなわち発疹の性状と,これらの組み合わせというデータに基づいて判定を下すべきことが要求されるわけである.これによって皮膚病変に客観性が与えられ,討議の場に登すことができる.以上から明らかなように,皮膚の変化から内的病変を推定する第一歩は発疹を知ることに始まるといってよい.以下に順序として発疹について記したい.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.