皮膚病変と内科疾患
じんま疹および発斑(膨疹)を併発する皮膚疾患と内的病変
三浦 修
1
1杏林大皮膚科
pp.236-237
発行日 1975年2月10日
Published Date 1975/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205795
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発斑に掻痒を伴う疾患をじんま疹と定義する.ただし発斑に紅斑が先行し,あるいは辺縁に紅量を形成し,または発斑の消褪した跡に紅斑を遺す場合もじんま疹に含まれる.いずれにしても紅斑は発斑と同様に一過性であるを要するし,その他の発疹の併発は許されない.
じんま疹は急性と慢性に分けられる.前者は1カ月以内に治癒する場合に名づけられ,後者はそれ以上,時によっては数年,十数年にわたって発症をくり返す例をいう.しかし発疹は両者共に全く同様である故,初発時にこれら両者を分かつことは至難である.これを推測せしめうる要件としては家族歴または既往歴におけるじんま疹や他のアレルギー性疾患の有無のみである.しかし多くの急性例にあっては発斑が大形であり,紅斑を豊富に伴い,終日発症を反復するのに対して,慢性型にあっては発斑が比較的小形となり,紅斑は少なく,掻痒も軽度となり,特定の時刻または条件下に発症する例が多いので,初診時多少見当のつくこともある.
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